みなさんは、犯罪が起きやすい環境について考えたことがありますか?
これは、環境の乱れがさらなる犯罪や秩序の乱れを引き起こすという理論です。
具体的に言うと、一枚の割れた窓があるとその建物は管理されていないと認識され、悪いことをしても問題ないだろうという思考回路が形成されてしまうということです。
これは犯罪心理学だけでなく社会学などにも関連する面白い考え方なので、ぜひ参考にしてみてください。
治安が悪化するプロセス
割れ窓理論は、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングによって考案されました。
この理論における治安が悪化するまでの流れについて、Wikipediaでは以下のように書かれています。
- 建物の窓が壊れているのを放置すると、それが「誰も当該地域に対し関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出す。
- 住民のモラルが低下して、地域の振興、安全確保に協力しなくなる。それがさらに環境を悪化させる。
- 凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになる。
つまり、治安の悪化を防ぐには、軽微な秩序の乱れにも気を配る必要があるということです。
割れ窓理論の応用例
割れ窓理論は、私たちの生活の様々なところで応用されています。
例えば、管理の行き届いた公共施設では、ゴミのポイ捨てや落書きは発生しにくくなります。
また、交通ルールにおいて、定期的な取り締まりやパトロールをすることは違反行為を減らすことへと繋がります。
ちなみに、個人の行動レベルでもこの割れ窓理論は有効で、小さなルール違反やマナー違反を見逃さず、早期に対処することで大きな問題の発生リスクを軽減できます。
私の失敗談
私は、過去に職場の寮で空き巣に入られたことがあります。
そのときの私は、関係者しか建物に入れないことを理由に普段から施錠をしていませんでした。
今、思えばとても浅はかな行動だったと思います。
空き巣に気付いて警察の方に来てもらったとき、「犯罪をする人も悪いけど犯罪が起きる環境を作るのも良くないよ」と言われたのを覚えています。
よくよく考えれば、寮の外は草が生い茂り、また非常階段から続くドアは施錠されていなかったり、そして私の部屋は施錠されていなかったりと管理が全く行き届いていない状態でした。
まさしく、割れ窓理論です。
みなさんは私のような目に遭わないよう、身の回りの環境が犯罪を誘発してしまわないか確認することをお勧めします。
さいごに
割れ窓理論は、小さな秩序の乱れが大きな秩序の乱れへと繋がってしまうというものでした。
一人ひとりが身の回りの環境を整え、小さな問題にも目を向けることが、犯罪の未然防止へと繋がります。
この理論を意識して、身近な場所から秩序を守ることに取り組んでみてはいかがでしょうか。