巷では、SNS投稿にいいねやフォローをするだけでお金が貰える副業があるとかないとか。
そんな怪しい話を聞き、さっそくお金のため…いや、詐欺調査のため情報収集することにしました。
結論を先に言ってしまうと、そういう副業は実際にあるし、詐欺の場合もあります。
「副業としてあるならやってみたい!」と思った、そこのあなた。
一旦落ち着いて、この副業の危険性と詐欺に巻き込まれないための予備知識をあらかじめ身に付けておくことをお勧めします。
副業として存在する
前述したように、いいねやフォローをするだけでお金が貰える副業は存在します。
ビジネス形態のひとつに『クラウドソーシング』というものがあります。
これは、インターネットを通じて不特定多数の人に業務を依頼するというものです。
このようなオンライン業務を募集できるプラットフォームも存在し、そこにはいいねやフォローをするだけでお金が貰える業務が実際に掲載されていたりもします。
その界隈では、「いいね周り」や、「サポート」という言葉がよく使われていました。
いいね周りというのはおそらく、いいねやリポスト、リプライなどのエンゲージメントを指すのでしょう。
また、サポートという言葉もよく使われており、あくまでもアカウント運用の手助け業務というスタンスをとっているようです。
問題はないのか?
詐欺行為に関与していない限り、法律上は問題ないというのが私が調べた結果でした。
では、SNSプラットフォーム側のルールとしてはどうなのでしょうか?
試しに、Xの利用規約をチェックしてみると… ”アウト” でした。
同サイトのヘルプセンターには、「プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー」というページがあり、その中の「エンゲージメントと指標」という項目では、違反の例として以下のように記載されていました。(一部のみ抜粋)
ツイートやアカウントの測定データの増加を販売または購入すること – フォロワーやエンゲージメント(リツイート、いいね、@ツイート、投票)を販売または購入すること
該当ページ:https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/platform-manipulation
違反したアカウントに対する処分は、その違反の重大さや過去の違反歴によって変わるようで、一時的なロックをかけ、その解除のために電話番号認証を求めたりするようです。
詐欺の場合も
冒頭で詐欺の場合もあると伝えましたが、これもまた本当です。
これは『タスク詐欺』と呼ばれ、クラウドソーシング形式で業務を依頼するまでは同じなのですが、そこから偽の投資アプリなどに誘導することでお金を騙し取ろうとします。
例えば、高報酬タスクや福利厚生タスクなどと呼ばれる業務では、先にお金を払い、払った金額に応じて成功報酬が変動します。
それらの業務を完了させるとアプリ内の残高が増え、それを引き出すことで現金化できるようです。
しかし、そこが罠で「最初の頃は引き出せた」という報告もありましたが、基本的には様々な理由を付けて引き出しを阻止します。
私が見かけた例では、「引き出すためにはさらにお金を振り込む必要がある」や、「3回で1セットだから全ての業務を完了させないと引き出せない」などです。
引き出しを阻止するだけでなく、「業務に問題があった」などと言いがかりを付けられ、ペナルティとしてお金を振り込むよう言われたり、この副業を辞めたいと伝えると「契約違反だ」などと言ってお金を振り込ませたりすることもあるようです。
気になる方は、Yahoo!知恵袋で「いいねをするだけで 副業」などと調べてみると、実際に被害に遭った方の意見を参考にすることができます。
さいごに
タスク詐欺への対策は、「甘い話に騙されるな!」という一言に尽きるように思えますが、実際問題詐欺でない場合もあるわけで…。
副業ブームの今、どうせやるなら自宅で簡単にできるものを選択したいと思うのは人の性でしょう。
ですが、高報酬タスクなどで一度送金してしまうと、「取り返すためにさらにお金を振り込まなくては」というギャンブルでよく見られる思考回路に陥ってしまう可能性があります。
こういった事例をあらかじめ知っておくことで、被害を未然に防いだり、詐欺に巻き込まれた場合でも途中で身を引くなどの対応に繋げることができるでしょう。