詐欺師がSNSを悪用して、中学生や高校生などをターゲットに性的な画像を送らせるという性被害のニュースを目にすることがあります。
私はこのようなニュースを見る度に「世の中には、知らない人に自分の性的な画像を送ってしまう子がいるんだなぁ」と感じていました。
しかし調べてみると、その実態は私の認識と大きく異なっていました。
今回紹介する事例はほんの一例ですが、あなたやあなたの家族が同様の被害に遭わないよう、私が学んだことを共有しておこうと思います。
詐欺の実態
結論から言うと、詐欺師はターゲットが断れない状況を作ったうえで性的な画像を要求します。
具体的には、聞き出したプライベートな情報から個人を特定したり、他人には知られたくない内容を「友達や先生にバラすぞ」などと脅迫して送らせます。
詐欺師は、人間の弱みを突く卑劣かつ巧妙な手口を駆使するということを覚えておいてください。
ですので、この問題を単に若年層のインターネットリテラシーが低いという理由だけで片付けないでほしいなと思います。
詐欺の流れ
以下は、詐欺手口の一例です。
- なりすましを行ってターゲットに接触
- プライベートな情報を聞き出す
- 聞き出した情報を元に個人を特定
- 性的な画像を送るよう脅迫
なりすましを行ってターゲットに接触
同年代の学生や有名人などを装って、DMのようなプライベートな会話へと誘導します。
同年代の学生を装う場合は、友好関係を築いたうえで「私たち親友だからDMで話さない?」などと誘導するでしょう。
有名人を装うなら「あなたのことが気になったのでDMしました」などとプライベートな会話をスタートさせるでしょう。
プライベートな情報を聞き出す
「どこ高?」、「何部?」、「下の名前は?」のように、少しずつプライベートな情報を聞き出します。
あらかじめ用意しておいた画像などを使い、「私はこんな顔だけど、◯◯ちゃんはどんな雰囲気?」と、さりげなく顔写真を求めたりもします。
ターゲットはDMというプライベートな空間に安心してしまい、情報を渡してしまう可能性があります。
さらに、最後の脅迫で使用するため、友達の愚痴や失恋エピソードなど、公の場では話したくないようなことも聞き出しておきます。
聞き出した情報を元に個人を特定
例えば、学校の活動報告ページでは、スポーツの大会で優勝した場合に集合写真が掲載されていたり、メンバーの名前が載っていたりしますよね?
美術部や写真部なども同様に作品と名前が掲載されている場合があります。
それらを活用して、ターゲットのフルネームや送信させた画像以外の写真など、ターゲットに関わる情報を入手し、特定します。
性的な画像を送るよう脅迫
ここまで進むと詐欺師からすれば準備完了の状態です。
詐欺師は、頃合いを見て性的な画像を送るよう指示します。
ほとんどの場合断られるでしょうが、個人を特定していることや他人に知られたくない弱みを握っていることを理由に脅迫することで退路を塞ぎます。
こうなると、事を大きくしたくないターゲットは自分の性的な画像を送ってしまう可能性があります。
どう行動すべきか?
事前に策を講じることはもちろん、脅迫された場合でも性的な画像を送らない決断が大切です。
以下に、行動指針の例を示しておきます。
事前の対策
- DMなどの受信設定を見直す
- 知らない人からのメッセージを疑う癖をつける
- SNSでプライベートな情報を公開しない
脅迫された場合
- 脅迫されても性的な画像を送らない
- 会話のログをスクショするなどして証拠を保存する
- 信頼できる家族や友人、もしくは警察に相談する
このような詐欺に直面した場合でも冷静に行動できるよう、事前の準備をしておくことが大切だと思います。
さいごに
今回は、若年層がSNSで性的な画像を送ってしまう理由についてまとめました。
紹介した事例は一例であり、脅迫する以外にもお金などの報酬をちらつかせて性的な画像を送らせるなど、その手法は多岐に渡ります。
また、狙われるのは若年層だけではありません。
自分や大切な人を守るため、あらかじめ詐欺に関する知識を身に付けておくことが大切でしょう。